あのアタリがナイトダイブスタジオを買収へ正式に合意したとアナウンス！としていて、どのような話し合いが行われて実現に至ったか、そして、その内訳まで紹介されており、予想外な出来事と言えるものでしたね。
業界のベテランであるStephen KickとLarry Kupermanが率いるNightdiveは、古典的なビデオゲームの修復、最適化、パブリッシングを専門とする総合開発・パブリッシャー会社です。Nightdiveは100以上のタイトルをパブリッシングしており、System Shock、DOOM 64、Quakeなどの業界やファンの間で有名なタイトルをリリースし、高い評価を得ています。
Nightdiveの最新プロジェクトは、クラシックなファーストパーソンシューティングゲーム『System Shock』のリマスター版で、2023年に最も期待されているレトロリリースの1つです。『System Shock』は現在、Steam、GOG、Epic Gamesで予約受付中です。
ナイトダイブの成功の鍵は、クラシックゲームを現代のハードウェアでプレイ可能にし、現代のプレイヤーの期待に応えるためにオリジナルを強化・改良する能力をスタジオに与える、独自のKEXエンジンにあります。同スタジオの評判と深い業界知識は、ゲームやメディアの大手企業にとって頼りになるパートナーであり、多様なタイトルのポートフォリオを開発することを可能にしました。
2022年12月期において、ナイトダイブは約300万米ドルの売上を計上しています1。創業者は当社株式の87％を保有し、アタリ社の会長兼CEOであるウェイド・ローゼンは13％の少数株式を保有しています。
今回の買収により、アタリは自社で保有する膨大なIPライブラリーを充実させ、Nightdiveの独自技術を活用し、Nightdiveのパブリッシング能力を活用して、レトロに特化したアタリの成長戦略をサポートします。
この買収は、利害関係のないアタリの取締役会メンバーの全会一致で承認されましたが、Wade Rosenは投票に参加していません。
アタリの会長兼CEOであるウェイド・ローゼンは次のようにコメントしています『Nightdiveの専門知識とレトロなIPの商業化における成功実績は、アタリの戦略とよく合致しており、彼らの才能、技術、IPポートフォリオの組み合わせが、アタリの将来の成功に貢献すると確信している。』
NightdiveのプリンシパルであるStephen KickとLarry Kupermanはこうコメントしています『Nightdiveとアタリは長い歴史があり、アタリがレトロゲームへの情熱と、オリジナルIPにふさわしい高品質の新作やリマスターゲームを制作することに重点を置いていることに共感している。私たちがビジネスの成長と能力の拡大を目指す中で、アタリほど長期的なパートナーはいないと思います。』
買収の条件と時期
Nightdiveの買収価格は、(i)買収完了時に現金とアタリ株で半分ずつ支払う初期対価1000万米ドル（下記参照）と、(ii)ナイトダイブの将来の業績に応じて今後3年間に現金で支払う最大1000万米ドルのイヤアウトからなります。
なお、Nightdiveの買収は、2023年4月に完了する予定です。
買収のための資金調達
最初の対価は、半分が現金（500万米ドル）、半分が新たに発行されるアタリ社の普通株式（500万米ドル）で支払われる予定です。発行されるアタリ株式の数の計算は、取引終了の10日前に先立つユーロネクスト・グロースにおけるアタリ株式の20日間の出来高加重平均価格に基づいて行われる予定です。
アタリの取締役会が代表する当社が、2022年9月27日に開催されたアタリ社の合同株主総会（以下『AGM』）の第18回決議に基づき、裁判所が選任した貢献監査人（commissaire aux apports）による現物出資の価値および交換比率の公正性に関する報告5に基づいて、Nightdive株式をアタリに現物出資（aport en nature）することにより発行する予定です。
当社とWade Rosenが支配する持株会社Irata LLC（以下『Irata』）は、Irataが初期対価である500万ドルを支払うためにアタリにつなぎ融資を行う方針であることに合意しています。
転換社債型新株予約権付社債
当社は、フランスにおいて、アタリの全株主を対象とした優先引受期間（offre au public avec délai de priorite）付きの公募により、3000万ユーロの本新株予約権付社債を発行することを予定しています。
本新株予約権付社債の募集に関する目論見書は作成され、AMFの承認を受ける予定です
本新株予約権付社債の発行は、本買収の完了後間もなく行われる予定です
本新株予約権付社債は、フランス国内（のみ）での公募により、3取引日の間、全株主を対象とした優先引受期間（譲渡可能な権利の発生を伴わない）を設けて発行される予定です
アタリの主要株主であるIrata LLC（アタリの株式資本の29.2％を保有）は、その比例持分を引き受け、少なくとも募集総額の75％に相当する数の本新株予約権付社債を確定的に引き受ける意向を示しています
なお、『Irata』は、少なくとも2025年6月25日までは、本新株予約権付社債をアタリ株式に転換しないことを、当社に対して契約上かつ取消不能な形で約束することを意図しています。
本新株予約権付社債による調達額は、主に以下の用途に使用される予定です：
買収に伴い『Irata』が提供した500万ドルのブリッジファイナンスの償還、およびアタリが今後検討する可能性のある買収のための資金調達
成長戦略への継続的な投資、特に今後18ヶ月間に発売が予定されている12以上の新ゲームの開発
変革計画を推進するために必要な一般的な資金需要および財務の柔軟性
まさかのアタリの買収であって、これは本当にメリットがあったのかという話になりそうですね。その辺はナイトダイブスタジオは合意しましたが、ブランド力がどうなるかですね。